●サンマ (秋刀魚) |
形態 |
体は細長く、左右から押しつぶしたように平たい。
口先は尖っており、下顎が上顎よりも長い。
胃袋を持たず腸管も短い。
体側背部は、暗青色、腹部は銀白色である。
背びれは1基で8〜11本の軟らかいスジがある。各ひれに棘はない。 |
生態 |
大きな群れをつくって日本近海で季節的な回遊を行い、主に水温10〜20℃の海域に出現する。
大型魚群、中型魚群、小型魚群の順に北上する策餌回遊を行う。
体長20cmを超える頃から、繁殖活動を始める。春と秋の2回産卵期があり、一般に、体長30cm以上の群れは
10〜1月に、 体長25cm前後の群れは3〜6月に産卵する。
産卵場所は暖流の縁辺部で、海面を漂流するホンダワラ類などの流れ藻に卵を産み付ける。
平均して1万〜2万の卵を複数回に分けて産卵し、卵は長径2mm前後、短径1.7mm前後の楕円形で付着沈性卵。
卵には、 20本前後の毛が生えており、これが海藻に絡み付いて産着する。
孵化までの時間は、水温20℃以上で10日、水温15℃前後で17日間。
孵化時の全長は7mm前後で腹部に卵黄をもっている。3〜4日で卵黄を吸収し、10日で10mm前後まで成長する。
主食は、プランクトンでオキアミ類などの浮遊性甲殻類を好んで食べる。夕方から夜にかけて活発に餌をとる。
サンマの魚群は水温の変化によって群れ方が、「ナガシ群」「シラミ群」「ソコ群」「ハネ群」4種類に変化する。 |
漁法 |
主に棒受け網によって漁獲されている。これはサンマが光に集まる習性を利用したもので、夜間に船の舷側上で
集魚燈をともして海面近くに魚を集め、海面下から網を一気に持ち上げて漁獲する。
魚をすくい取るため魚に傷がつきにくく、流し網に比べて鮮度もよいため、全国で広く行われている。
このほか、佐渡や奥尻島では、産卵期のサンマが流れ藻などの浮流物から離れないことを利用して、
下に海藻をつけたむしろを海面に浮かべ、寄ってきたサンマを手づかみで獲る変わった漁法も行われていた。
主な産地と漁獲時期
北海道から房総以北の太平洋沿岸が主な漁場である。
晩夏〜初冬にかけて漁獲される。 |